誰も気づかない早着替え

2022年03月02日 10:47

家族に出来上がったデモを聴かせることはまずないのですが
先日確かめたいことがあったので聴いてもらったのです。

何を確かめたかったかと言いますと
「転調したことに明らかに気づけるかどうか」

音楽をやっている人にはピンとこないかも知れませんが
音楽を特に習った経験も自分で楽器を演奏した経験も何もない人の中には
「今転調したね!」という感覚がない人がおられます。

私もこれ知った時は驚いたわけですが、そういうものなんだと納得しております。

我々音楽を長年やっているものにとっては、転調したなんてボーッと聴いているだけでもわかるし
どの長からどの長へ変わったかもわかるわけです。
がしかし、わからない人は当然わからないんですよね。

でも
「なんか変わった気がする」
という感覚はどうやらあるみたいなんです。

もちろんそれも感じない人もいるかも知れませんが、多くの人はこの
「何かが変わった」感じはあると。

それは暗いから明るいに変わったとか
なんか音が変わったとか
そういう感覚的なものなんですが、それがとても重要なことなんですね。

聴く人はミュージシャンばかりではないので、多くは一般的な方々な訳ですから
この「何か変わった」という感覚をデモを聞いて感じてくれないと
転調した意味が無いわけです。

転調って言うなれば
衣装チェンジみたいなものと思ってください。
曲の途中で早着替えみたいな。

せっかく苦労して早着替えしたのに誰も気づいてくれなかったら寂しいじゃないですか。

例えば、一発転調でもう違和感しかないような転調の仕方であれば
そんな心配は無用かも知れません。
流石に気づくだろと。

でも上手に転調しちゃった場合、気づいてもらえないんですよね。。
気づかれないほど自然に素早く早着替えしちゃったんですね。

言われてみれば、、色が違うような、、
いやでも自信ないなぁ、最初からこれ着てなかった?
みたいな。。。

それはちょっと困るタイプのデモ作りをしていたので家族に聴いてもらったわけです。

結果としては
息子は「何か変わった」と感じたようです。
旦那は何も分からなかったそうです。

GメジャーからFメジャーへの移調だったわけですが、まぁ確かに地味な転調ではございますが
明らかにキーが変わったことは我々はわかってしまうので
その我々の当たり前を世の中の当たり前だと思うのは危険だったりします。

キーが変わる、転調する、ということの説明を旦那にこんこんとしたわけですが
何もわかっていなくても彼も転調する感覚は持っています。
例えばカラオケに行って、キーが合わないから下げたり上げたりするのもそういうことですからね。
何もわかっていなくても、伴奏のキーが変わればちゃんとそれに合わせて歌うことができる。
これはもう、音楽経験者じゃなくても、基本的に人間に備わっている音楽的な能力だと思います。
無意識に移調できるんですね。
それはそれでなんかすごいと思っちゃいます。

ドの位置が変わるなんて言うと彼らは混乱するので
それは避けたほうがいいんですが
ついつい「Gメジャーはドの位置がソでFメジャーはファになるんよ」
なんて言ってしまってさらに混乱の渦に巻き込んでしまいましたが。

それにしても、もうちょっと派手に転調すれば良かった。
上手にやりすぎて、誰も気づかない早着替えをしちゃったかも知れないなぁ。

切ない。

EARSY

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